私、ピックアップ障害だったみたい。

このブログは、私「はな」の不妊治療の記録です。
「まったり」というタイトルで書いてきたものです。
妊娠してからの記録は、こちらです。


２００７年８月に婦人科にデビューし、２００９年１０月の体外受精で、ようやく妊娠できました。
ブログには、２００８年９月～２００９年１２月までの記録が綴られています。

※　ピックアップ障害とは、「排卵した卵子が、卵管に入る事ができない」障害です。
　　事前の検査では、分からないのがほとんどで、
　　私も、血液検査・卵管造影・子宮内視鏡、全ての検査結果が良好で、
　　どこも悪いところは見つかりませんでした。
　　「原因不明不妊」のほとんどが、「ピックアップ障害なのではないか」と、言われているそうです。


私、結婚したらすぐに子供ができるものだと、思っていました。
だから、子作りを始めて半年しても妊娠できなかった時に、
「何かが、おかしい！」と、初めて婦人科に足を運びました。

婦人科に行った事が無かった私にとっては、とても勇気の要る行動でした。

しかしながら、婦人科の「不妊治療ごっこ」的な処置に、無駄に時間を取られてしまい、
今となっては、「子供を切望しながら、普通の婦人科に通ってしまった事」を、後悔しています。


２００８年１２月に、不妊専門クリニックにデビューをし、
そこから１年は、ベルトコンベアーで運ばれていくかのごとく、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　妊娠に向かって、治療がどんどん進んでいきました。
振り返ると「怒涛の１年だった。。。」と思わされます。


不妊クリニックでは、すぐに「夫の検査値の異常」が発覚し、
「私の検査値には異常が無い」ことから、「男性不妊」が疑われました。

即座に人工授精が始まり、３回目の人工授精で妊娠し、７週で流産しました。
２００９年の春のことです。

初めての妊娠、初めての流産、初めての全身麻酔の手術で、心身ともに滅入ってしまいました。
あの頃が「私の“人生の谷”だったのではないか」と、思います。

ただ、「３回目の人工授精で妊娠」と、男性不妊の典型的な形での妊娠であったため、
その時点で、私も医師も、

「ピックアップ障害ではない」・「人工授精で妊娠できる」　という、当たり前の結論に至りました。
・・・しかしながら、その後、４回人工授精を行なっても、妊娠できませんでした。


４回の人工授精の途中、夫の転勤でクリニックが変わりました。

すると、
・環境の変化で、夫の調子が良くなり、
・精液の精製方法も変わって、調整後の精子の運動率が、９０％にもなりました。

それでも、妊娠しませんでした。
どんなに条件が整っても、妊娠できないのです。

「何かが、おかしい！！！」とモヤモヤが募りました。

『　どうして妊娠できないの？？？　』


２００９年９月、体外受精へステップアップしました。

新しいクリニックでも、「１度人工授精で妊娠しているから・・・」と、
転院直後に「体外受精は要らない」と言われていたのですが、その時には断られませんでした。


そして、４つの卵子を採卵。
２つを体外受精し、２つを顕微授精しました。

全ての卵が受精し、受精障害の懸念は取り除かれました。


そして、８分割胚を１つ移植。
残りの３つは、全て「胚盤胞」まで育ちました。

「胚盤胞」とは、体外受精では「ゴール」に値する受精卵です。
ここまで育つのは、培養している受精卵のうち、「１／２～１／３」くらいみたいです。

お腹の受精卵はもちろん、培養中の受精卵も全てが胚盤胞まで育ち、先生もびっくり！

「今まで、精子と卵子が出会えていなかったとしか考えられない」という見解に至りました。
それは、「おそらく、ピックアップ障害だろう」というコトです。

以前の妊娠は、たまたま卵子が卵管に入った、「奇跡のキャッチ」だったのだろう、とのコト。
きっとその時は、卵子は、ボロボロになりながらも卵管に入り、受精したのでしょう。

でも、生き続ける力は、もう無かったのでしょう。
そう思うと、あの時の流産を、悲しいながらも納得できたりもします。


本来、「ピックアップ障害」って、もっと早く見つかるものだと思います。

例えば、「フーナーテスト良好でも、妊娠しない」ケースは、
人工授精をしても無駄なので、すぐに体外受精にステップアップします。
⇒これで妊娠すれば、典型的なピックアップ障害です。

ただ、私の場合、

◎夫の検査値が良くなかったので、フーナーテストをしなかったこと
　⇒もしフーナーテストをしていたら、「フーナーテスト良好の不妊」になったかも・・・
　　 と、今さらながらに思ったりもします(^_^;)

◎たまたま人工授精で妊娠したこと

の２つが重なり、「ピックアップ障害」が、完全に見えなくなってしまっていました。
でも、体外受精をしてみたら、「ピックアップ障害としか思えない」状況だったのです。


私は、全ての不妊治療をされている方に、体外受精を勧める気持ちはありません。

でも、
・決定的な悪いところがどこにも無いのに、妊娠しない方、
・現時点で、妊娠できないのが不思議な状況の方、
・男性不妊の治療は万全なのに、妊娠しない方には、
「体外受精も視野に入れた治療をして欲しいな～」と思っています。

人工授精中、私自身も、
「タイミングがずれたな～」とか「今回、夫の調子が悪いな～」とか、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「妊娠できない理由」が存在することもありました。
そういう時は、結構、納得できるものでした。

でも、「理由」が無いときは、
「なぜ妊娠しないの？？？」と、クエスチョンマークが、頭の中を飛び回っていました。

そんな、クエスチョンマークが頭の中を飛び回っている人をブログでお見かけすると、
「私の仲間なのでは？」
と、思うことが度々あります。

私から直接、治療に取り組んでいる方に、体外受精をお勧めする事はありませんが、
でも、
私のブログが、体外受精にステップアップしようとしている方の、参考になったら嬉しいです。

そして、一部の方の、
「もしかたら、ピックアップ障害なのかも。。。」と 思いを巡らすきっかけになったら、嬉しいです。


私は、体外受精で「子供を持つ道」が開けたことを、心から嬉しく思っています。
だから、治療に取り組んでいる全ての方の道が開けること、心から願って止みません。。。

はな



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コメント 6

はなさん、お久しぶりです。
はなさんの率直でお優しい気持ちが伝わって来て、共感しました。

人に勧めることは決してできない治療だけれど、
IVFへ進むことで、可能性が広がる方が、
はなさんのおっしゃる通り多いと思います。
クエスチョンマークを抱えながら、私もAIHを続けて来たけれど、
今となってはIVFに進んで本当に良かったと思います。
確かにステップアップはお金がかかるし、
自然でないことに対する抵抗感もありました。
でも今、お腹の中にいてくれる命を思うと、
かけがえのない命に変わりはなかったということ。
むしろ旦那と2人で頑張った奇跡を思うと、涙が出て来ます。

はなさんのブログをご参考にされる方は、
とても多いと思います!!
更新をされなくなることは残念ですが、
これからも順調な経過を心から願っています。
今まで本当にありがとうございました。
by るる (2009-12-26 22:37) 

はなです。
るるさん、こんにちは！

今も涙が出る気持ち、分かります。
本当に本当に、努力の結果、呼び込んだ奇跡ですものね！

時代が違ったら、会えなかったかもしれない我が子が、
確実にお腹の中で生きていてくれるのは、
本当に奇跡だし、それだけで感動です☆


私、治療中は、
るるさんのブログとコメントには、とっても助けてもらいました☆
るるさんの、治療内容のリアルタイムの報告や、
クリニックの説明会のリポートは、
私が体外受精をする時に、本当に背中を押してくれるものでした。
ありがとうございました！

もしネットが無い世界だったら、、、
多くの人の、体外受精の経験談を聞く事もできず、
たった一人、高度生殖医療に進むことをみじめに感じ、
きっと、自分の事を
「世界で一番不幸だ」と思い込んでいたに違いありません(^_^;)

こんなに一般的で、こんなに自然な治療である事を、
多くの人に知ってもらいたいし、理解してもらいたいと、
お腹の赤ちゃんが順調に成長している今、改めて感じています。

るるさんのブログもそうですし、私のブログも、
少しでも、迷っている人の目に留まってもらいたいですね！

と、思う反面、
子供が将来、理解の無い人の偏見にさらされないように、
「体外受精で妊娠した事を、これ以上言わない方が良いのかもしれない」
と、保守的な思いを抱えていたりもします。

体外受精には、早く市民権を得て欲しいです！！！


私は、卒業を期に、ブログを書くことは終了させてもらいますが、
ブログを読む事は、これからも続けて行きます(^_^)
るるさんと赤ちゃんの成長を、
これからも楽しみに、ブログを読ませていただきます☆

どうか、一足先に元気な赤ちゃんを産んでくださいね！！！
後に続かせていただきます♪

by はな (2009-12-28 16:57) 

はじめまして。
わたしもずっと自分はピックアップ障害だと思い込んでいました。
正にフーナーテスト１００点、精子検査１００点の原因不明の不妊そのものでした。
3年間タイミングと排卵誘発剤などで頑張ってみましたが一度も陽性反応を見ることもなく、、
全く期待せずに体外受精の準備として３回だけ人工授精を試すことに決めていました。
すると2回目の人工授精で妊娠！！
もうすぐ１２週を迎えます。何が原因だったのか？？？って感じです。


by LuLu (2010-01-26 10:31) 

はなです。
LuLuさん、こんばんは！
そして、ご懐妊おめでとうございます！

ピックアップ障害を疑われる中での妊娠、本当に良かったですね♪
妊娠って、本当に未知で奇跡のモノですね！
そして、不妊の原因って、本当に分からないものですね！

無事に妊娠されているので、今は原因を悩む必要はないかもしれませんが、
せっかくコメントを頂いたので、
私が想像する、今回の妊娠の勝因を書いてみたいと思います。

１治療経験者として、思い浮かぶものです。

〇精子の力を、人工授精で助けてもらった
　（こちらのサイトの「マラソンの話」が、私にはとても理解しやすかったです
　　http://www.ivf-kyono.or.jp/column/staff-tsubuyaki/2009_08.html　　　　）

〇やはりピックアップ障害で、今回の妊娠が、奇跡のキャッチだった
　（ピックアップ障害でも、自然妊娠の可能性は０ではないから）

〇今回の卵子の質が、良かった
　（大変失礼な表現かと思いましたが、
　　卵子の質は、採卵しないと分からないので、書かせて頂きました）

〇これまで着床障害があった　（可能性はかなり低いと思いますが・・・）

と、思うままに書いてみましたが、
治療中、きっと、たくさん悩まれたんでしょうね。。。

上に書いたのは、治療中に、私自身が思いを巡らせていたモノです。

私は人工授精に７回失敗したことから、
「自分はピックアップ障害だ」と思うことで、気持ちの整理ができていますが、
LuLuさんは原因がハッキリと分からず、スッキリしないですよね。

でも私は、LuLuさんが２回目の人工授精で妊娠されたことから、
第２子も、人工授精で授かれるのではないかと、期待しております。

お互いに、元気な赤ちゃんを産みましょうね！

by はな (2010-01-27 00:39) 

はじめまして、はなさん。
ずっとブログ読ませていただいてました。
私は二人目不妊だったんですが一人目もなかなか出来ず初めて病院に行って一周期目でありがたくタイミング療法で授かりました。
そして二人目もすぐには出来ないだろうと思い、病院に通ったのですが
なかなか出来ず、病院を変えたりもして人工授精も何度かしましたが失敗に終わりました。それからは二人目を諦めるしかないのかと悩みながらもんもんとした日々をすごしていました。
そんな時、はなさんが体外受精で授かった事を知りました。
年齢も同じ事などで一方的に親しみを感じて毎日チェックさせてもらっていたので喜びと共に一度目の体外受精で授かった事に驚きました。
私自身、体外受精は経済的に全く考えていなかったのですが、はなさんの事がきっかけで主人と相談し、ステップアップしてみることを決断しました。
そして私も体外受精一度目で授かる事が出来ました。
はなさんのブログで背中を押してもらいました。はなさんのブログがなければステップアップするまでには至らず悩み続けていたんだと思います。
まだまだ陽性判定をいただいた段階ですが、はなさんにお礼がしたく
今回、コメントさせてもらいました。
きっと一人目は奇跡の子だったんだと思います。
まだ不妊原因の説明は受けていませんが、私も受精卵4個共グレードAと診断していただきました。そして一度目で授かったという事。。。私もピックアップ障害だったのかもしれません。体外受精でしか授からなかったんだと思います。
そう考えると、やはりはなさんに感謝せずにいられません。
これからもはなさんのブログを読んで、共に頑張っていきたかったのでブログが終わってしまった事はとても残念です。
でも、まだまだ大事な時期ですし、お身体大事に元気な赤ちゃんを産んでくださいね。私も元気な赤ちゃんを産みます。
本当に本当にありがとうございました。
by ひろ (2010-02-07 10:14) 

はなです。
ひろさん、こんにちは！
コメントが遅くなりまして、すみません！

そして、陽性判定、おめでとうございます！！！
お子さんを連れての通院、きっと大変だった事でしょう！
本当に、お疲れ様でした！！！！

ひろさんからのコメント、とても嬉しかったです☆
私の経験が、ひろさんのお役に立てたと伺い、
ブログに記録を残して良かったな～と、心から思わされました(^_^)
ご報告、ありがとうございました☆

２人目がなかなかできにくい方が、
「実はピックアップ障害だった」という事、時々あるようですね。

一度妊娠していると、「ピックアップ障害の可能性」を「排除」してしまって、
見当違いな方向に出口を探して、本当に疲労してしまいますよね。。。
お気持ち、よく分かります(^_^;)

ひろさんの場合も、受精卵のグレードが、全てAだったことを考えると、
「これまで精子と卵子が出会えていなかった」と、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自然と考えられますよね。

一人目のお子さんは、本当に、奇跡のお子さんだと思いますよ！！！
そして、勇気を出してステップアップをされて、本当に良かったです(^_^)


私が先生から「ピックアップ障害だろう」との見解を聞けたのは、
無事に妊娠判定をもらえた時に、
「これまで妊娠できなかった理由は、何だと思いますか？」と
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私から尋ねたからなんです。

「成功率は３０％」という気持ちで、体外受精に臨んだ私。
無事に妊娠できた事は、もちろん嬉しかったのものの、
あまりの成績の良さに、
「じゃあ、何で今まで妊娠できなかったの～？」という気持ちの方が強く、
先生に、聞かずにはいられなかったんです。

なので、もし私が、先生に見解を尋ねていなかったら、
「妊娠できて良かったね～」という話で終わっていたかもしれません。

ひろさんも、機会があったら、
先生に尋ねてみたら、スッキリするかもしれませんよ☆


体外受精の経済的な負担も、本当に一苦労でしたよね。
幸い私も、１回の体外受精で妊娠できたので、
助成金と医療費控除で、実は、意外と、安く済んだような気がします。

だいたいですが、
（体外受精６０万円）－（助成金１５万円）＝４５万円
医療費還付金　＝　４５万　×　０．２　＝９万円
　
実際に掛かった費用　＝　４５万円－９万円　＝　３６万円　くらいかな？

もちろん、痛い出費ではありますが、、、
結果の出ない人工授精やタイミングを繰り返す事を考えると、
「ステップアップして良かった！」と、心から思います。


そして私の近況ですが、現在、妊娠５ヶ月です☆
きとんと育ってくれるか心配で心配で、
　　　　　　　　　　　正直、妊娠からここまでも、長かったです(^_^;)
苦労して授かった子なので、大切に育てていきたいと思います☆

お互いに、寅年生まれの元気な子を産みましょうね！
まだまだ寒い日が続きますので、
ひろさんも、体を温かくして過して下さいね！

赤ちゃんの成長を、心から願っています☆

by はな (2010-02-09 13:03)